愛宕地区第一種市街地再開発事業とは|港区・虎ノ門エリアの未来を変える大型プロジェクト
- AnzenBlog
- 2025年12月22日
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東京都港区愛宕一丁目で進行している愛宕地区第一種市街地再開発事業は、都心に残された貴重な緑地「愛宕山」と、都市機能の高度化を同時に実現しようとする、極めて象徴的な再開発計画である。
本事業は、UR都市機構と野村不動産が中心となり、
住宅を主用途とする超高層タワーマンションと、店舗・オフィス・寺院を含む複合的な市街地を形成するものだ。

事業概要|地上41階・高さ約160mの住宅タワー
1街区には、地上41階・地下2階、高さ約160m(最高部約166.3m)のタワーマンションが建設される。延べ面積は約54,200㎡に及び、設計・施工は竹中工務店が担う。
用途構成は以下の通りである。
1~3階:店舗・生活支援施設
4~6階:オフィス
7~41階:住宅
住宅を主用途としながらも、低層部に都市機能を集約することで、
単なる居住施設にとどまらない都市拠点を形成する計画だ。
なお、本街区には野村不動産が特定事業参加者・特定業務代行者として参画している。
2街区には、地上3階建ての建物を2棟建設する計画となっている。
用途は店舗と寺院であり、建物高さは約15mに抑えられている。

住宅中心とした理由|虎ノ門エリアの「住」
新橋・虎ノ門エリアは、長らくオフィス街としての性格が強い地域であった。
しかし本事業では、あえて住宅機能を主用途に据えている。
その理由は明確だ。
駅からやや距離がある立地特性を踏まえ、近隣で働く人々の職住近接ニーズを受け止めるためである。
都心で働き、都心に住む。
その需要を静かな環境の中で満たすことが、本計画の根幹にある思想だといえる。

景観と歴史への配慮|愛宕山と参道を守る計画
本事業を語るうえで欠かせないのが、愛宕神社と愛宕山の存在である。
愛宕神社の参道を挟み、街区を二分する構成は偶然ではない。
愛宕下通りや愛宕山山頂からの眺望を確保するため、
G地区は低層に抑え、F地区のみを高層化する計画が採られている。
さらに、参道と一体となったオープンスペースの整備、
生物多様性に配慮した緑化計画など、歴史と自然を尊重する姿勢が随所に見て取れる。

開発スケジュールと現在の進捗
これまでの経緯
2010年:愛宕山周辺の一体再開発検討開始
2013年:まちづくり協議会設立
2017年:地権者からUR都市機構へ事業施行要請
2022年3月:都市計画決定(地区計画)
2022年6月:都市計画決定(市街地再開発事業)
2023年1月:事業計画認可
2023年10月:権利変換計画認可
今後の予定
2024年度:建築工事着工
2025年:1街区(F地区)新築工事本格化
2028年11月:1街区竣工予定
2031年:2街区着工
2032年:2街区竣工(事業完了)
2025年時点で、1街区の既存建物解体および斜面工事はすでに完了しており、
現在は新築工事に移行する段階に入っている。
まとめ|愛宕地区再開発が示す都市の未来
愛宕地区第一種市街地再開発事業は、
単なる高層マンション計画ではない。
歴史ある神社と参道の継承
都心に残された緑と眺望の保全
現代都市に求められる住宅・都市機能の高度化
これらを同時に成立させようとする、先進的な都市再生モデルである。
2028年に竣工予定の1街区を起点に、
虎ノ門・神谷町エリアは新たなフェーズへと移行していくことになるだろう。
今後も継続的に注目すべき再開発プロジェクトである。



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