東京都心5区オフィス需要の最新動向 空室率2.22%まで低下、出社回帰が市場を押し上げる
- AnzenBlog
- 2 日前
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東京都心のオフィスマーケットが、再び強い局面を迎えている。
オフィス仲介大手の 三鬼商事 が2026年1月8日に発表した最新データによれば、2025年12月時点における東京都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)のオフィス空室率は 2.22% まで低下した。前月比では 0.22ポイントの改善 であり、これで 10カ月連続の低下 となる。
この水準は、コロナ禍以前と比較しても極めて低く、都心部では明確に「供給不足」の局面に入っていると考えられる。企業のオフィス需要は想定以上に底堅く、回復局面から拡張局面へと移行しつつある状況だろう。
東京都心5区すべてで空室率が低下 中でも港区は需給逼迫が顕著である
区別の空室率を見ると、東京都心5区すべてで前月から改善が確認されている。
千代田区:1.43%(前月比▲0.06pt)
中央区:2.81%(同▲0.09pt)
港区:2.54%(同▲0.48pt)
新宿区:2.59%(同▲0.16pt)
渋谷区:1.82%(同▲0.06pt)
※三鬼商事発表のデータ
特筆すべきは港区である。0.48ポイントという大幅な低下は、外資系企業やIT・スタートアップ、コンサルティングファームなどの積極的なオフィス取得が背景にあるとみられる。
特に、築浅・ハイグレードビルへの需要は依然として強く、「条件の良い物件は空いた瞬間に決まる」状況が常態化していると言ってよいだろう。

大規模成約が相次ぎ、空室面積は約1万8,000坪減少
2025年12月は、一部の中小規模オフィスでは解約が見られたものの、それを上回る規模での成約が進んだ月であった。
・竣工1年未満の新築・築浅ビルでの大口契約
・本社とは別に設ける分室・増床ニーズの顕在化
・業績好調企業による人員増加を見据えた先行確保
これらの動きにより、東京都心5区全体の空室面積は 約1万8,000坪減少 したとされている。
さらに12月は、新築ビルの竣工がなかったことも需給を引き締める要因となった。その結果、新築ビルの空室率は 5.55% と、前月から 5.76ポイントも低下 している。
新築ビルに関しては「空室があること自体が珍しい」というフェーズに入りつつあると言えるだろう。

25年3月開業 高輪ゲートウェイシティ
平均賃料は23カ月連続で上昇 賃料2万1,409円/坪は一つの通過点か
需給の引き締まりを背景に、東京都心5区の平均賃料は 2万1,409円/坪 となった。前月比で 101円上昇、前年同月比では 1,113円の上昇 である。
これにより、賃料は 23カ月連続で上昇 しており、調整局面に入る兆しは今のところ見られない。
特に賃料上昇が顕著なのは、以下の条件を備える物件である。
・駅徒歩5分以内の好立地
・築10年以内、もしくは大規模リニューアル済み
・BCP対応、共用部充実、セキュリティ性能が高い
企業側は単なるコスト削減よりも、「人材確保」「生産性向上」を重視する姿勢を強めており、賃料上昇を一定程度受け入れてでも質の高いオフィスを選択する傾向が鮮明になっている。
出社回帰がオフィス需要を下支えしている
このようなオフィス需要の回復・拡大の背景には、働き方の変化がある。
パーソル総合研究所 の「テレワークに関する調査」によれば、テレワーク実施率は2023年以降 3年連続で22%台 にとどまっている。
2022年2月のピーク(28.5%)と比較すると約6ポイント低下しており、テレワークは一定程度定着したものの、全面的なリモートワークからは明確に後退している状況だ。
加えて、2025年においては
テレワーク頻度が
「減った」と回答:35.8%
「増えた」と回答:5.4%
という結果が示されており、出社回帰の流れは一過性ではなく、構造的な変化である可能性が高いと考えられる。

2026年も続くか、低空室率と賃料上昇の時代
今後についても、東京都心5区のオフィスマーケットは強含みで推移する可能性が高いだろう。
・業績好調企業によるオフィス拡張
・出社回帰を前提としたオフィス環境の再構築
・都心部における新規供給余地の限定性
これらを踏まえると、空室率の低下と賃料上昇は2026年も継続する公算が大きい。
一方で、築年数が古く、立地や設備面で競争力を欠くビルについては、より一層の二極化が進む局面に入るだろう。
東京都心5区のオフィス市場は今後、「選ばれるビル」と「選ばれにくいビル」
の差が明確になるフェーズへと進んでいく。
オーナー・テナント双方にとって、戦略的な判断が求められる時代である。
引用:https://www.e-miki.com/rent/




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