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白金ザ・スカイは「買い」だったのか。新築時と現在の中古価格を徹底比較

57 分前
読了時間: 13分


かつては「高い」と感じられたマンションが、数年後には手の届かない価格になっている。


不動産市場では珍しい話ではないが、近年の港区では、その価格変動がより鮮明になっている。


その象徴的な存在が、港区白金一丁目に建つ「白金ザ・スカイ」だ。


新築分譲時には7,000万円台で販売されていた住戸も、現在の中古市場では1億円を大きく超える水準で取引されている。


広さや階数、向きによっては数億円に達する住戸もあり、分譲時を知る人にとっては驚くべき価格水準だ。


では、白金ザ・スカイは本当に「買っておけば正解だった」マンションなのか。


分譲時の価格と現在の中古市場を比較し、実際の成約事例、価格上昇の背景、そして足元で見え始めた価格調整の動きまで、不動産仲介の視点から検証する。




白金ザ・スカイとはどんなマンションなのか


まずは物件の基本情報を整理しておきたい。

項目

概要

物件名

白金ザ・スカイ(SHIROKANE The SKY)

所在地

東京都港区白金一丁目

交通

東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪」駅徒歩3分

構造・規模

RC造・一部S造、地上45階・地下1階

総戸数

1,247戸

竣工

2022年12月


白金高輪駅から徒歩3分。


都心へのアクセスに優れた立地に、1,247戸という大規模な住宅を集約したタワーマンションだ。


白金エリアというブランド力に加え、駅近、大規模、タワーという複数の特徴を備えている点が、このマンションの強みといえる。


また、単に住戸数が多いだけではない。共用施設や敷地計画を含め、マンションそのものが街のランドマークとなるような存在感を持つ。


港区内で新築マンションを検討する際、白金ザ・スカイは一つの基準となる物件だ。


中古市場においても、立地や規模、ブランド力を背景に、引き続き注目を集める存在となっている。


ただし、物件の知名度が高いことと、どの価格で購入しても資産価値を維持できることは別の話だ。


その判断には、まず分譲時の価格を振り返る必要がある。




分譲時はいくらだったのか。7,000万円台から始まった価格


白金ザ・スカイの価格上昇を考えるうえで、比較の起点となるのが新築分譲時の販売価格だ。


公開されている第1期販売時の価格情報では、専有面積44.16㎡の1LDK住戸について、次のような価格が確認できる。


専有面積

所在階

分譲時価格

44.16㎡

10階

6,890万円

44.16㎡

11階

6,950万円

44.16㎡

16階

7,330万円

44.16㎡

17階

7,370万円

44.16㎡

18階

7,410万円

44.16㎡

19階

7,480万円


44㎡台の1LDKが6,000万円台後半から7,000万円台で販売されていたことがわかる。


もちろん、当時も決して安価なマンションではない。


白金高輪駅徒歩3分という立地や、港区の新築タワーマンションという条件を考えれば、購入には相応の資金力が必要だった。


それでも、現在の中古市場を知る人からすれば、当時の価格は大きく異なる景色に映るはずだ。


では、同じ広さの住戸は現在いくらで売り出されているのか。




新築時と現在を比較すると、価格はどこまで変わったのか


2026年10月に確認できる中古販売履歴には、専有面積44.16㎡・16階の1LDKが1億6,000万円で掲載されている事例がある。


分譲時の16階・44.16㎡住戸は7,330万円だった。


この二つを比較すると、次のようになる。

比較項目

分譲時

2026年10月の中古販売履歴

専有面積

44.16㎡

44.16㎡

所在階

16階

16階

価格

7,330万円

1億6,000万円

価格差

—

+8,670万円

価格倍率

—

約2.18倍

上昇率

—

約118%


単純比較では、約7,330万円だった住戸が、現在は1億6,000万円で売り出されている計算になる。


価格差は8,670万円。


分譲時の価格を基準にすれば、約118%の上昇だ。


ただし、ここで注意したい点がある。


この比較は、専有面積と所在階が一致する住戸同士の比較であり、同一の部屋であることを確認したものではない。

また、1億6,000万円は売出価格であって、実際にその価格で成約したことを意味しない。

方角、眺望、住戸位置、室内状態、売主の事情などによっても、価格は変わる。


したがって、これをそのまま「同じ部屋が8,670万円値上がりした」と断定することはできない。


それでも、同じ面積帯・同じ階数の住戸が、分譲時と現在でこれほど異なる価格水準にあるという事実は、白金ザ・スカイの価格上昇を考えるうえで象徴的だ。


そして、売出価格だけでなく、実際の成約事例も確認しておきたい。




売出価格だけではわからない。実際の成約事例を見る


中古マンションの価格を調べる際、ポータルサイトなどに掲載された価格だけを見て判断するのは危険だ。


売主が希望する価格と、実際に買主が購入した価格は異なることがある。市場の実態を把握するには、可能な限り成約事例を確認したい。


白金ザ・スカイについて公開されている成約情報には、2026年の次のような事例がある。


成約時期

専有面積

間取り

成約価格

2026年6月

45.12㎡

1LDK

1億5,000万円

2026年8月

41.06㎡

1LDK

1億5,300万円

2026年8月

61.53㎡

2LDK

2億3,000万円

2026年9月

55.89㎡

2LDK

2億1,400万円

2026年6月

84.66㎡

3LDK

3億9,400万円


コンパクトな1LDKでも1億5,000万円前後、60㎡前後の2LDKでは2億円を超える成約事例が確認できる。


もちろん、すべての住戸が同じように値上がりしているわけではない。

階数や眺望、住戸位置によって価格差が生じるうえ、成約価格も時期によって変動する。


それでも、実際の成約情報からは、白金ザ・スカイが単に高い売出価格を掲げているだけのマンションではなく、億単位の価格で売買される市場を形成していることが見て取れる。


湾岸マンション価格ナビの集計では、2025年11月から2026年10月までの成約価格は1億4,200万円から3億9,600万円、中央値は2億3,300万円。成約単価の中央値は坪約1,389万円となっている。


これは同サイトが保有する成約データに基づく集計であり、すべての取引を網羅する公的統計ではない点には留意したい。


重要なのは、現在の価格水準を把握する際、売出価格と成約価格を混同しないことだ。


高額な売出事例が目立つマンションほど、その数字だけで資産価値を判断せず、実際にどの価格帯で取引が成立しているかを見る必要がある。




なぜ、ここまで値上がりしたのか


白金ザ・スカイの価格上昇を、単に「港区だから」「タワーマンションだから」という言葉だけで説明することはできない。


背景には、複数の要素が重なっている。


① 白金高輪駅徒歩3分という立地

マンションの資産価値を考えるうえで、立地は基本となる要素だ。


白金ザ・スカイは、東京メトロ南北線と都営三田線が利用できる白金高輪駅から徒歩3分。都心の主要エリアへのアクセスを確保しながら、白金という住宅地のブランドも享受できる。


駅近の立地は、実際に住む人にとって利便性が高いだけでなく、将来の売却や賃貸を考える際にも評価されやすい条件だ。


② 大規模タワーマンションとしての存在感

総戸数1,247戸という規模は、港区内でも目を引く。


大規模マンションは、共用施設や管理体制、敷地計画などを含めて評価されることが多い。


また、物件名そのものが広く認知されることで、中古市場で検討対象に入りやすいという側面もある。


ただし、大規模であることが必ずしも管理費や修繕積立金の安さ、将来の値上がりを保証するわけではない。

長期的には、管理の質や修繕計画も確認すべきポイントとなる。


③ 新築マンション価格そのものの上昇

白金ザ・スカイの価格上昇を考えるうえでは、物件固有の魅力だけでなく、マンション市場全体の変化も無視できない。


建築費や人件費の上昇、都心の住宅需要、立地条件の良い物件への資金集中など、さまざまな要因が新築・中古マンションの価格に影響してきた。


新築マンションの販売価格が高くなれば、条件の良い中古マンションも比較対象として見直される。新築で希望条件に合う住戸を購入しにくくなった人が、築浅の中古マンションを検討するケースも考えられる。


こうした市場全体の変化が、白金ザ・スカイの価格形成にも影響してきたと考えられる。


ただし、個別の値上がり幅を特定の要因だけに帰することはできない。立地や住戸条件、売買のタイミングなどを分けて見る必要がある。




それでも、今から買う価値はあるのか


ここまで見てきたように、白金ザ・スカイは分譲時と比べて大幅に高い価格水準で中古取引が行われている。


では、今から購入する価値はあるのだろうか。


答えは、購入目的と価格次第だ。


実需として長く住む場合

自分や家族が長く住むことを前提とするなら、価格上昇だけで購入の是非を決めるべきではない。


通勤や通学の利便性、住戸の広さ、眺望、周辺環境、管理状態など、実際の生活に関わる要素を優先したい。


そのうえで、将来売却する可能性があるなら、購入価格が周辺の成約事例と比べて妥当か、維持費を含めた総支出がどの程度になるかを検討する必要がある。


資産価値を重視する場合

資産価値を重視するなら、過去の値上がり実績だけで判断するのは危険だ。


分譲時に購入した人と、現在の中古市場で購入する人では、取得価格が大きく異なる。

同じマンションを所有していても、購入時点によって将来の価格変動に対する余裕は変わる。

過去に大幅な値上がりを実現したことは事実として注目に値するが、それが今後も同じペースで続くことを意味するわけではない。


現在の価格には、立地や建物の評価だけでなく、これまでの値上がりに対する市場の期待も織り込まれている可能性がある。


購入を検討するなら、強気の価格シナリオだけでなく、価格が横ばいになった場合や、下落した場合も想定しておきたい。




マンション価格は下がり始めたのか。都心市場に見え始めた変化


ここで、白金ザ・スカイの今後を考えるうえで見逃せない動きがある。


それは、都心の中古マンション市場で、価格の下落や調整の兆候が表れていることだ。


2026年8月の東京都内の中古マンション平均価格は、70㎡換算で前月比0.2%下落し、1億1,274万円となった。


東京都の平均価格が前月を下回るのは2年4カ月ぶりと報じられている。


さらに、港区などを含む都心6区の平均価格は前月比0.7%下落し、4カ月連続のマイナスとなった。

強気な価格設定をした物件の価格調整や、在庫の積み上がりも指摘されている。


LIFULL HOME’Sの2026年7〜9月期マーケットレポートでも、東京都心6区の中古マンション平均掲載価格は2026年2月をピークに下落傾向が続き、9月には1億6,508万円となったと報告されている。


一方で、首都圏全体の中古マンション掲載価格は前年同月比で上昇しているカテゴリーもあり、市場全体が一様に下落しているわけではない。


エリアや物件の条件によって動きが異なる点には注意が必要だ。



価格が下がり始めたからといって、すぐに暴落するわけではない


こうした数字を見ると、「いよいよマンションバブルが崩れるのではないか」と考える人もいるだろう。


ただし、月次の平均価格が下落したことと、すべてのマンションの価値が下がったことは同義ではない。


平均価格は、調査対象となる物件の構成や面積、エリアなどにも影響される。また、掲載価格は売主の希望価格であり、実際の成約価格とは異なる。


そのため、東京都内や都心6区の平均価格が下落したというデータだけで、白金ザ・スカイの価格が同じ割合で下がると判断することはできない。


一方で、購入検討者が価格上昇についていけなくなれば、売主が希望価格を見直す場面が増える可能性はある。

実際に、白金ザ・スカイの掲載履歴にも、2026年10月に55.89㎡の2LDKが2億3,400万円から2億2,200万円へ、約5.1%値下げされた事例が確認できる。


ただし、これは個別住戸の売出価格の変更であり、値下げ後の価格で成約したことを示すものではない。


今後注目したいのは、単に売出価格が下がるかどうかではない。

  • 値下げ後に実際の成約へつながっているか

  • 売却までにかかる期間が長くなっているか

  • 同じ面積・階数・向きの成約単価が下がっているか

  • 売出中の物件が増え、買主が比較検討しやすくなっているか


こうした指標を追うことで、白金ザ・スカイの価格が一時的な調整局面にあるのか、それともより大きな相場の転換が進んでいるのかを見極めやすくなる。



白金ザ・スカイも例外ではない


白金ザ・スカイには、駅近、大規模、港区アドレスという強みがある。


こうした条件は中古市場でも評価されやすく、価格が下落する局面でも相対的な競争力を保つ可能性がある。


しかし、優れた立地や建物であっても、市場全体の金利動向や買主の購買力から完全に切り離されているわけではない。


これまでの値上がりが大きかったからこそ、購入価格によっては今後の価格変動の影響を受けやすくなることも考えられる。


「人気マンションだから値下がりしない」と考えるのではなく、現在の成約価格と売出在庫、購入後の維持費、将来の売却可能性を冷静に見ておきたい。




結局、白金ザ・スカイは「買い」だったのか


分譲時と現在の中古市場を比較すると、白金ザ・スカイが大幅な価格上昇を経験してきたことは明らかだ。


分譲時に7,000万円台だった44.16㎡の住戸について、現在は1億6,000万円の売出事例が確認できる。


別の住戸でも、1億円台から数億円に及ぶ成約事例が見られる。


もちろん、分譲時価格と現在の価格を比較しただけで、購入者がその差額をそのまま利益として得られるわけではない。

売却時には諸費用がかかり、保有中には管理費や修繕積立金、税金なども発生する。住宅ローンを利用していれば、金利負担も考慮しなければならない。


それでも、分譲時に購入できた人にとって、現在の価格水準が大きな含み益につながっている可能性は十分にある。


では、今から購入する人はどうだろうか。


過去の値上がり実績は魅力的だ。しかし、その実績だけを根拠に、これからの値上がりまで期待するのは危険だ。


都心の中古マンション市場では、価格の下落や在庫の積み上がり、売出価格の見直しといった変化が見え始めている。こうした動きが今後どこまで広がるのかは、引き続き確認する必要がある。


白金ザ・スカイは、立地や規模、知名度という点で魅力のあるマンションだ。


ただし、どの価格で買っても正解になるマンションではない。


「あの時、買っておけば正解だったのか」という問いに対しては、分譲時の価格で購入できた人にとって、結果的に有利な展開になった可能性が高いといえる。


一方で、「今から買っても正解なのか」という問いへの答えは、まだわからない。


これから購入する人に求められるのは、過去の値上がりを追いかけることではなく、現在の価格が妥当なのかを見極めることだ。


値上がりした実績と、これから値上がりする可能性は別物。


白金ザ・スカイの現在地は、都心マンション市場全体の転換点を見極めるうえでも、注目すべき事例の一つといえるだろう。



参照・出典一覧

  1. 新築分譲時の価格情報

    マンションマニア「白金ザ・スカイ 第1期販売価格情報」

  2. 中古販売履歴・募集価格

    三井住友トラスト不動産「白金ザ・スカイ」

  3. 中古マンションの成約事例・価格集計

    IESHIL「白金ザ・スカイ」/湾岸マンション価格ナビ「白金ザ・スカイ 成約履歴」

  4. 東京都内・都心6区の中古マンション価格動向(2026年8月)

    TBS CROSS DIG with Bloomberg「8月の都内中古マンション価格が2年4カ月ぶり下落-都心周辺も頭打ち」

  5. 東京都心6区の中古マンション掲載価格動向(2026年7〜9月期)

    LIFULL HOME’S PRESS「LIFULL HOME’Sマーケットレポート 2026年7〜9月版」

  6. 白金ザ・スカイの売出価格・価格改定履歴

    TOWERS.SELECT「白金ザ・スカイの住戸の履歴」

※本記事の価格比較は、分譲時の販売事例と現在の売出事例を比較したもので、同一住戸の値上がりを示すものではない。売出価格と成約価格も区別している。また、東京都内・都心6区の市況データは広域的な傾向を示すものであり、白金ザ・スカイ単体の価格変動を直接示すものではない。

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