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【不動産未来予想図】リニアはいつ来る?品川は開業を待たずに変わり始めている

5 日前
読了時間: 14分

更新日:5 日前


高輪ゲートウェイ・南北線・トヨタ新東京本社、そして2037年「人口約2万人増」の未来


「リニアが開業すれば、品川は変わる。」


長い間、そんな未来が語られてきた。


品川駅を東京側の始発駅とするリニア中央新幹線。


計画どおり完成すれば、


品川―名古屋、最速40分。


将来大阪までつながれば、


品川―大阪、最速67分。


東京・名古屋・大阪という日本の三大都市圏の時間距離を大きく縮める、国家規模の交通インフラである。


しかし、当初予定されていた2027年の品川―名古屋間開業は実現しなかった。


2026年10月現在も、正式な開業時期は決まっていない。


それでは、リニアが遅れた品川の将来性も一緒に遅れているのか。


実際の街を見てみると、むしろ逆である。


高輪ゲートウェイでは新しい街がすでに動き始めた。


品川駅西口ではトヨタ自動車の新東京本社が建設中。


東京メトロ南北線も品川まで延伸される。


さらに港区の人口推計を見ると、品川駅を挟む高輪地区と芝浦港南地区では、2037年までに合わせて約2万人の人口増加が予測されている。


つまり、


リニアが来てから品川が変わるのではない。


リニアを待っている間に、品川の方が先に変わり始めている。


現在の品川を不動産という視点から見るなら、ここが最も重要なポイントではないだろうか。



そもそも、リニアは今どうなっているのか


まず現在地を整理したい。


2026年10月現在、


品川―名古屋間の正式な開業時期は未定


である。


2026年9月25日の国土交通大臣会見では、JR東海が品川―名古屋間の開業見通しについて、


2026年内を目途に示す方向で検討している


と説明されている。


つまり、


「2030年開業」


「2034年開業」


などと正式決定しているわけではない。


現時点ではまだ、


「いつ完成するのかを示す時期を検討している」


という段階である。



最大の壁だった「静岡問題」は大きく前進した


リニア延期の象徴となったのが、


静岡工区


である。


南アルプストンネル工事による大井川の水資源や自然環境への影響を巡り、静岡県とJR東海の協議が長期間続いてきた。


しかし2026年7月18日。


静岡県とJR東海は、


自然環境保全協定


を締結した。


水利用に影響が生じた場合の対応、工事開始後のモニタリング体制なども含め、長く続いた協議は大きく前進した。


一方で、国土交通省は2026年9月時点でも、


「静岡工区の本格的な工事はまさにこれから」


と説明している。


つまり、


政治・環境面での巨大な障壁は大きく動いた。


しかし、


工事に必要な物理的な時間そのものが短くなったわけではない。


ここがリニアの現在地である。



東京側では、すでに工事が進んでいる


一方、


「静岡で止まっていた=リニア全体が止まっていた」


というわけではない。


東京側では工事が進んでいる。


第一首都圏トンネルの北品川工区では、シールドマシンによる本格的な掘進が進められており、JR東海は2026年10月13日時点まで進捗状況を公表している。


そして品川駅そのものでも、巨大な地下駅が建設されている。


リニア品川駅は、


延長約1km。


最大幅約60m。


面積約3.5ha。


東海道新幹線やJR在来線が通常運行している地下に、これだけ巨大な駅を建設する。


非常に難易度の高い工事である。


つまり品川では、


まだ開業時期は分からないが、リニア駅そのものはすでに作られている。



5.5兆円から11兆円へ


リニアのもう一つの問題が、


建設費


である。


品川―名古屋間の総工事費は、もともと約5.52兆円とされていた。


その後2021年には、


7.04兆円。


そして現在の見通しでは、


11.0兆円。


まで増加している。


JR東海は、物価・労務費の高騰、難工事への対応などを増額要因として挙げている。


さらに将来の追加リスクとして、別途約1兆円も見込んでいる。


これほど巨大な事業である以上、


「予定より数年遅れた」


というだけの話ではない。


リニアは現在、


造るか、造らないかではなく、いつ・いくらかけて完成させるか


という段階に入っている。



しかし、品川の街はリニアを待っていない


ここからが不動産として面白い。


通常なら、


リニア開業 ↓ 企業が集まる ↓ 人が集まる ↓ 再開発が進む ↓ 不動産価値が上がる


という順番を想像する。


しかし今の品川では、


その順番が逆になっている。


リニアが完成する前に、街の方が先に完成し始めているのである。



TAKANAWA GATEWAY CITYはすでに動き始めた

2026年3月28日。


TAKANAWA GATEWAY CITY


がグランドオープンした。


オフィス。


商業施設。


ホテル。


コンベンション。


住宅。


教育。


文化。


高輪ゲートウェイ駅周辺に、これらを一体化した新しい街が誕生した。


そして住宅もある。


TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE。


総戸数は、


847戸。


2026年4月から入居が始まり、低層部には東京インターナショナルスクールの新校舎も整備されている。


つまり高輪ゲートウェイは、


「オフィスを造った再開発」


ではない。


実際に人が住み、働き、学び、買い物をする新しい街


として動き始めている。



2029年、トヨタが品川へ

さらに品川駅西口。


旧SHINAGAWA GOOS跡地を含む一帯で、大規模な再開発が進んでいる。


その象徴が、


トヨタ自動車の新東京本社


である。


トヨタと京急電鉄は2025年5月に建設工事へ着手。


2029年度の開業を予定している。


トヨタ自身も品川を選んだ理由の一つとして、


「今後リニア開通等により都市機能の向上が期待される品川」


と説明している。


ここは非常に象徴的である。


トヨタは、


「リニアが開業したら品川に行こう」


と考えたわけではない。


リニアが来る未来を見越して、先に品川へ動いている。


このような企業が増えれば、リニア開業前から品川の業務拠点としての価値は高まっていく。




2030年代半ば、南北線も品川へ来る


そして品川の鉄道網を大きく変えるもう一つのプロジェクトが、


東京メトロ南北線の品川延伸


である。


現在の計画では、


白金高輪から品川まで約2.8km。


新たに品川駅を設置。


1日約15万人の輸送需要が想定されている。


開業目標は、


2030年代半ば。


すでに2024年11月から工事に着手しており、2026年には本格的な工事段階に入っている。


これは品川にとって非常に大きい。


現在の品川は、


東海道新幹線。


山手線。


京浜東北線。


東海道線。


横須賀線。


京急線。


そして羽田空港。


と、


南北方向・広域交通には圧倒的に強い。


一方、


白金。


麻布十番。


六本木一丁目。


永田町。


など、港区内陸部や都心西側への地下鉄アクセスは弱かった。


南北線延伸は、その弱点を埋める。


品川は、


新幹線・空港に強い駅から、東京都心内の移動にも強い駅


へ変わっていくことになる。




そして「住む人」も増える


再開発ばかりが注目される品川だが、不動産市場を見るなら、


人口


も非常に重要である。


品川駅は、港区の


高輪地区


と、


芝浦港南地区


のほぼ境界に位置している。


港区が2026年3月に公表した最新の人口推計を見ると、この二つの地区では今後も人口増加が続くと予測されている。


高輪地区は、


2026年 65,686人


から、


2037年 74,733人


へ。


増加人数は、


9,047人。


約13.8%増である。


一方の芝浦港南地区は、


2026年 60,776人


から、


2037年 71,249人


へ。


増加人数は、


10,473人。


約17.2%増となる。



品川を挟む2地区で「約2万人増」


この二つを単純合算すると、


2026年、


126,462人。


2037年には、


145,982人。


増加人数は、


19,520人。


約15.4%の増加となる。


地区

2026年

2037年

増加

高輪

65,686人

74,733人

+9,047人

芝浦港南

60,776人

71,249人

+10,473人

合計

126,462人

145,982人

+19,520人


もちろん、


この数字は「品川駅徒歩圏だけ」の人口ではない。


高輪地区・芝浦港南地区という、より広い行政区域の人口推計である。


それでも、


品川を中心とする港区南部で、今後10年以上にわたって人口増加が予測されている


ことは注目に値する。




日本全体が人口減少する中で、約15%増える

さらに面白いのは、


日本全体では人口減少が進んでいるにもかかわらず、


港区では逆の現象が予測されていることである。


港区全体の人口は、


2026年の約27万人から、


2037年には、


313,509人。


約16.2%増加すると推計されている。


高輪も芝浦港南も、この流れの中にある。


全国人口が減少する時代に、


人が増える都市と、減る都市が同時に存在する。


これからの不動産を見るうえで、この差は非常に大きい。



増えるのは「働く世代」でもある


さらに重要なのが人口の中身である。


高輪地区では2037年までに、


生産年齢人口が、


5,447人増。


芝浦港南地区でも、


5,329人増。


と予測されている。


二地区合わせれば、


働く世代だけで1万人以上増える。


港区は両地区とも、


25~34歳の人口増加が大きいと推計している。


この年代は、


就職。


転職。


結婚。


住宅購入。


賃貸。


子育て。


と、住宅需要が大きく動く年代である。


単に高齢者が増えることで人口が維持されるわけではない。


住宅需要を生みやすい現役世代も増える予測


なのである。



この人口推計は「マンション供給」も織り込んでいる


もう一つ重要なポイントがある。


港区の人口予測は、


単純に出生率や死亡率だけを使った予測ではない。


2026年中に竣工する50戸以上の大型集合住宅を反映。


さらに2027年以降についても、過去10年間の大型集合住宅供給実績を基に、


年間平均1,033戸程度の大型住宅供給


を想定して人口を推計している。


つまり港区自身が、


今後も大型マンション供給が続く


という前提を人口推計に組み込んでいる。


この点は不動産会社として非常に興味深い。


人口が増えるからマンションが建つ。


マンションが建つから人口が増える。


その両方が同時に進んでいるのである。



品川は「働きに行く街」から変わる


かつての品川港南口には、


オフィス街


というイメージが強かった。


朝になると大量の人が駅からオフィスへ向かい、


夜になると街から人が帰っていく。


しかし現在は違う。


港南には多数のタワーマンションがある。


高輪には歴史ある住宅地がある。


高輪ゲートウェイには847戸の新しい住宅が誕生した。


さらに人口も増える。


そこへ、


トヨタ新東京本社。


高輪ゲートウェイ。


南北線。


品川駅西口再開発。


リニア。


が重なっていく。


つまり品川は、


「巨大ターミナル+オフィス街」から、本当の意味での都市へ


変わろうとしている。


働く。


住む。


買う。


食べる。


泊まる。


学ぶ。


それらが一つの街の中で完結するようになる。



リニアの不動産効果は、まずオフィスから始まるかもしれない


不動産というと、


「リニアが来れば品川のマンション価格が上がる」


という話になりやすい。


しかし最初に大きな恩恵を受けるのは、


オフィス市場


かもしれない。


品川―名古屋40分。


将来大阪まで67分。


これが実現すれば、


東京。


名古屋。


大阪。


の企業拠点の時間距離が大きく縮む。


製造業。


金融。


IT。


外資系企業。


スタートアップ。


MICE。


ホテル。


さまざまな需要が品川へ集まる可能性がある。


トヨタ新東京本社は、その象徴的な存在になり得る。


企業が集まる。


↓


働く人が増える。


↓


飲食・商業需要が増える。


↓


ホテル需要が増える。


↓


職住近接を求める住宅需要が増える。


つまり、


オフィス需要の拡大が、最終的に住宅市場へ波及する


可能性がある。



高輪の住宅はどう変わるのか

高輪はもともと、


品川駅に近いにもかかわらず、


駅前ビジネス街とは少し違う住宅地である。


高台。


寺院。


大使館。


学校。


低層住宅。


高級マンション。


という環境がある。


そこへ高輪ゲートウェイという巨大な街が誕生し、


南北線まで品川へ来る。


これまで高輪は、


「品川駅に近い住宅地」


だった。


今後は、


「巨大都市・品川の住宅地」


という意味がさらに強くなる可能性がある。



港南の評価も変わる


そして住宅市場で最も興味深いのが、


港南


である。


港南には、


品川Vタワー。


ワールドシティタワーズ。


コスモポリス品川。


ベイクレストタワー。


そして新しくリビオタワー品川。


など、多数の大規模マンションが存在する。


一方、港南の弱点として長年言われてきたのが、


駅距離。


湾岸的な土地利用。


駅周辺の生活利便性。


である。


しかし品川駅そのものの価値が上昇したらどうなるか。


例えば、


「品川駅徒歩13分」


という条件。


現在は駅距離の弱点として見られる。


しかし品川駅が、


新幹線。


羽田空港。


南北線。


リニア。


巨大オフィス。


国際交流拠点。


を抱える駅になれば、


同じ徒歩13分でも意味が変わる。


不動産では、


駅までの距離だけでなく、


その駅がどれだけ価値を持つか


も重要なのである。




ただし「リニア期待」を価格に全部乗せるのは危険


一方で注意も必要である。


リニアは、


もともと2027年開業予定だった。


しかし現在も正式な開業時期は決まっていない。


静岡工区はこれから本格施工。


総工事費は11兆円。


したがって、


「リニアが数年後に必ず来るから、この価格でも買っていい」


という考え方は危険である。


不動産を買う以上、


リニアがさらに遅れた場合でも、


その物件に現在の価値があるかを見る必要がある。



品川が強いのは「リニアだけではない」


ここがこの記事の結論である。


もし品川の将来性が、


リニア一本だけ


に依存しているのであれば、


開業延期は大きなマイナスである。


しかし現実には、


TAKANAWA GATEWAY CITY。


トヨタ新東京本社。


品川駅西口再開発。


南北線延伸。


東海道新幹線。


羽田空港。


そして人口増加。


その上に、


リニア中央新幹線


が加わる。


つまりリニアは、


品川という街をゼロから変えるものではない。


すでに大きく変わり始めている品川を、


最後にもう一段引き上げる巨大インフラ


と考えた方が近い。



2037年、品川はどんな街になっているのか


2026年。


高輪ゲートウェイが本格開業。


2029年度。


トヨタ新東京本社。


2030年代半ば。


南北線が品川へ。


2037年。


高輪・芝浦港南地区の人口は、


現在より約2万人多い規模へ。


そして、


そのどこかのタイミングでリニアが開業する。


東京都自身が示す品川駅周辺の工程でも、2030年代半ばから2040年代のフェーズにリニアが置かれており、時期については「未定」とされている。


つまり、


リニアの完成を待って品川が変わるわけではない。


高輪ゲートウェイが育つ。


企業が来る。


住宅が増える。


人口が増える。


地下鉄が来る。


その後にリニアが加わる。


この順番になる可能性がある。



リニアが来る頃、品川はもう別の街になっているかもしれない


以前は、


「リニアが来れば品川が変わる」


と考えられていた。


しかし2026年の現在地から見ると、少し違う未来が見えてくる。


リニアを待っている間にも、


街は動いている。


建物は建っている。


企業は移転している。


地下鉄は掘られている。


マンションは供給されている。


そして人も増えていく。


だから不動産という視点で品川を見るなら、


重要なのは、


「リニアは何年に開業するのか」


だけではない。


むしろ、


その日が来るまでの10年間で、品川という街がどこまで成長するのか。


そこを見る必要がある。


リニアが品川をつくるのではない。


品川が先に巨大都市へ成長し、その最後にリニアがやってくる。


もしそうなるのであれば、


リニア開業日の延期だけを見て、


品川の将来性まで延期されたと考えるのは早いのかもしれない。



参考資料・確認先


※人口推計の高輪地区・芝浦港南地区は、品川駅徒歩圏のみを表すものではない。また港区の推計には、過去の大型集合住宅供給実績等を基にした将来の「開発人口」も織り込まれており、将来の実人口を保証するものではない。リニアの開業時期、再開発計画、鉄道整備スケジュールについても今後変更される可能性がある。


港区・都心周辺でマンションの購入・売却を検討している方は、アンゼン不動産へご相談ください。

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