【2026~2030年】次期「無電柱化推進計画」始動
港区の不動産価値と防災に直結する国家インフラ政策である
国土交通省は、2026年度初頭の策定を予定する次期「無電柱化推進計画(第9期計画)」の骨子案を公表した。対象期間は2026年度から2030年度までの5年間である。
本計画は、防災力強化・道路空間の安全性向上・都市景観の改善を主軸に、無電柱化を一段と加速させる内容となっている。
本稿では、初心者にも分かりやすく、かつ港区の不動産市場を意識しながら解説する。

目黒通り(白金台)
無電柱化とは何か
無電柱化とは、電柱を撤去し、電線類を地中に埋設することである。
その意義は大きく三つある。
① 防災機能の強化
地震や台風により電柱が倒壊すれば、
緊急車両が通行できない
火災延焼の危険が増す
停電が長期化する
特に「緊急輸送道路」においては致命的である。
② 道路空間の安全確保
歩行者や自転車の通行空間が確保され、安全性が向上する。
③ 都市景観の向上
電線のない街並みは、都市ブランド力を高める。
これは不動産価値にも直結する要素であろう。

なぜ計画を強化するのか
全国の緊急輸送道路は約2万1,826kmに及ぶが、
2024年度末時点での工事完了率は35%にとどまる。
現行計画(2021~2025年度)では「着手率」を目標としていたが、次期計画では
「2030年度までに完了する区間」を具体的に示すという方針へ転換する。
これは、実効性を重視した政策転換である。
コスト問題と新工法
従来型の地中化は、1kmあたり約5億円とされる。
そのため次期計画では、側溝等を活用する簡易工法
低コスト・短工期型の新技術の導入を推進する方向である。
理想論ではなく、現実的な加速策へ移行する段階に入ったと言えるだろう。
東京都の5か年ロードマップ
東京都も2026~2030年度の整備計画を策定予定である。
都道で320kmの新規事業着手、重点整備エリアの拡大が掲げられている。
特に注目すべきは、防災視点である。
東京都防災会議の被害想定では、首都直下地震時に環状八号線内側の木造密集地域で甚大な被害が想定されている。また震度5強以上発生時には、環七から都心方向への流入禁止、
環八から都心方向への流入抑制といった交通規制が実施される可能性がある。
無電柱化は、こうした都市防災インフラの一環である。

港区への影響
港区は、
・再開発が進行中
・高級住宅地とオフィス街が混在
・国際都市機能が集中
するエリアである。
再開発エリア(高輪ゲートウェイ、虎ノ門、麻布台など)では、無電柱化は既に前提条件となりつつある。
一方、白金・南麻布・元麻布といった住宅地では、防災と景観の観点から今後優先度が高まる可能性が高いだろう。
まとめ
2026~2030年度の次期無電柱化推進計画は、
・防災強化
・都市景観改善
・インフラ高度化
・不動産価値安定
を同時に推進する国家戦略である。
港区においては、再開発 × 無電柱化 × 防災強化
が重なるエリアが今後の注目対象となるだろう。
道路整備計画は、将来の地価形成や賃料水準にも影響を与える可能性がある。
港区で不動産を所有する、あるいは取得を検討する立場であれば、自身の物件前道路が「重点整備区間」に該当するかを把握しておくことは有益である。
今後も、港区の再開発・防災政策・インフラ整備が不動産市場へ与える影響を継続的に整理していく。
引用:https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/road/kanri/chichuka




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