【赤坂再開発】エンタメと都市機能の融合“赤坂エンタテインメント・シティ”
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かつての赤坂、そして未来の赤坂へ
赤坂は、歴史と文化、ビジネスが交差する街。TBSの本社を中心に、テレビ・音楽・舞台芸術の拠点として知られてきた。
近隣には高級料亭、老舗バー、ライブハウスが点在し、“大人の街”というイメージも根強い。
そんな赤坂において今、最も注目を集めているのが、「赤坂二・六丁目地区再開発」だ。
再開発の核を担うのは、三菱地所とTBSホールディングス。
高度成長期から長らくビジネスと文化が交差する地であった赤坂が、2028年、“エンタメ×都市機能”の融合拠点として生まれ変わろうとしている。
プロジェクト名 | 赤坂二・六丁目地区開発計画 |
主要プレイヤー | 三菱地所、TBSホールディングス |
敷地面積 | 約13,400㎡ |
延床面積 | 約206,000㎡(東街区+西街区) |
主な用途 | オフィス、商業、劇場、ホテル、広場、インキュベーション施設等 |
竣工予定 | 2028年10月(東街区:3月末、西街区:10月末) |

成長飽和する都心に必要な「価値の再構築」

東京23区の中心部では、再開発が飽和状態に近づいている。都市機能の高度化、高層化、国際競争力の強化――これらは既に多くのプロジェクトで実施済みだ。
そうした中、「赤坂二・六丁目開発」が注目されるのは、単なるインフラ更新ではなく、都市に新しい“意味”を与える試みである点にある。
キーワードは「エンタテインメント」。
都市における“非日常体験”こそが、経済効果と地域ブランディングを同時に高める原動力になる――。そうした仮説に基づき、この開発は動いている。
再開発の全貌:複合機能都市の実装
◆ 東街区(A棟):オフィス×商業×インキュベーション

・地上40階/地下4階、高さ207m
・延床面積:約167,000㎡
・オフィステナントに加え、スタートアップ支援施設(約1,000㎡)、商業店舗を配置。
◆ 西街区(B棟):ホテル×劇場×ホール

・地上18階/地下3階、高さ100m
・延床面積:約38,000㎡
・劇場・多目的ホール・レストランに加え、ヒルトン系ホテル「キャノピーbyヒルトン東京赤坂」(関東初進出)が入居予定。
両棟とも赤坂駅と地下で直結し、回遊性の高い歩行者動線と公共広場(約4,900㎡)が整備される。
インバウンドと観光戦略の交点
ヒルトンのライフスタイルホテル「キャノピー」の導入は、インバウンド戦略の要でもある。
東京五輪以降、訪日客は単なる“観光消費”から“文化体験”へとシフトしている。赤坂という都市が“舞台”になれば、滞在そのものがコンテンツ化する。
劇場、ホール、メディア体験施設がホテルと一体で設計されているのは、観光とエンタメを同時に取り込むダイナミックな設計思想の表れだ。

「場所を貸す」から「価値を生む」へ

TBSは近年、メディア事業だけでなく、不動産資産の活用を戦略的に進めている。
この再開発はその象徴ともいえる。赤坂本社を擁するTBSにとって、この土地は単なる不動産ではなく、「自社コンテンツの実装空間」なのだ。
一方、オフィスビルや商業施設などの“ハード(建物)”開発を得意としてきた三菱地所にとっても本プロジェクトは事業を拡張する試金石となる。
「建物の中でどんな体験や交流が生まれるか」という“ソフト”の部分に重きを置く。
TBSと組むことで、赤坂という都市空間に「エンターテインメント」という要素を融合させ、単なる不動産ビジネスを超えた“まちの価値づくり”に挑もうとしているのだ。
都市開発の主語が「人」に戻るとき

都市とは、ただの「場所」ではない。これからの街は、“物語”があるかどうかで選ばれる。
これまでの都市開発が“経済合理性”を軸に語られてきたとすれば、「赤坂二・六丁目再開発」は“体験価値”という視点にシフトしている。
都市は、再び「人の時間」を豊かにする場として捉え直されている。
「赤坂」は、その先陣を切ることができるのか――2028年、答えが出る。
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