「第二六本木ヒルズ」がもたらす3つの未来シナリオ
- 2025年12月12日
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六本木はこれまで、森ビルによる一連の再開発で都市の姿を大きく変えてきた。
2003年の「六本木ヒルズ」、
そしてその後の「東京ミッドタウン」の誕生を経て、
街は国際色の強いビジネス・文化の拠点へと変貌した。
そうした流れの延長線上で、いま注目を集めているのが、
港区六本木五丁目西側で進む「六本木五丁目西地区市街地再開発」だ。
森ビルが参画し、国家戦略特別区域の都市計画決定を経て、
2024年に都市計画が告示された本プロジェクトは、メディアで「第二六本木ヒルズ」と呼ばれることもある。
具体的な再開発の内容に関しては下記記事にてまとめている。
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ここから浮かび上がるのは、「六本木が次にどこへ向かうのか」という問いだ。
現在の都市計画書と公開資料から読み解くに、六本木という街の未来には3つのシナリオがある。
第二六本木ヒルズがつくる「3つの未来シナリオ」

このプロジェクトが都市にもたらす未来像として、
事実と都市構造から論理的に導けるのは次の3つだ。
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① 理想:六本木はアジアの都市モデルになる
• 多層都市の典型例として国際評価が高まる
• ビジネス集積が加速し、企業の移転が続く
• 六本木の歩行者動線が根本から改善
• “住・働・遊”が1km圏に収まる街に
• 緑の量と質が劇的に改善、都市熱環境のショーケース化
六本木ヒルズ、ミッドタウンと接続することで
“六本木メガクラスター”が成立する。
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② 現実的:新街区だけ成功し、旧六本木との“二層構造”が残る
• 第二六本木ヒルズ内部は最新都市として完成
• 周辺の雑多な街並みとのギャップが残る
• 富裕層とナイトカルチャー層が“すれ違う街”に
• 住宅は高騰し、多様性はやや限定
• 街としての連続性は部分的に改善
都市としては成功だが、
六本木全体での一体感は弱いままという構図。
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③ リスク:巨大開発が“街のアイデンティティの揺らぎ”を生む
• 世界経済の不安定化でリーシングに遅れ
• 高級住宅比率が高まり、コミュニティの空洞化
• 交通混雑やタクシー滞留が課題に
• 高層化による風環境・日照変化への指摘
• “旧六本木らしさ”との断絶が大きくなる
巨大開発のメリットは享受しつつも、
地域文化の継承・調整が追いつかない可能性がある。
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第二六本木ヒルズ構想の核心は、
「森ビルが六本木という街を都市スケールで再構築しにきた」
という点にある。
再開発が街を“変える”のではない。
街が抱えてきた課題を都市構造として書き換える試みだ。
六本木ヒルズ(2003)の20年後に、
六本木が“次の段階”へ移行するタイミングがきた。
東京の中心部で、
都市がもう一段階“重層化”されるプロジェクトはそう多くない。
六本木は、これから“高さ”でなく“密度の質”で語られる街になる

第二六本木ヒルズは、
六本木の未来を決定づける“地形レベルの再編”だ。
2030年の六本木は、
夜の街でも、観光地でも、ビジネス街でもなくなる。
それらすべてを縦と横に折り畳んだ、
東京で最も“多層的な都市”になる。
その始まりが、
いま、静かに土台を打ちはじめている。




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