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住みたい街ランキングに異変。東京の人気は「北」へ動き出した

  • 11 分前
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東京の住宅地図が、静かに塗り替わり始めている


「住みたい街」と聞けば、多くの人が思い浮かべるのは港区、渋谷区、目黒区、世田谷区――そんな”東京の南側”ではないだろうか。


高級住宅街、洗練された街並み、ブランドイメージ。長年にわたり東京の住宅市場を牽引してきたのは、城南・城西エリアだった。


しかし2026年、その勢力図に変化が起きている。


住みたい街ランキングでは、北区、板橋区、豊島区、文京区など北側エリアの存在感が年々高まり、「東京ノース」という新しいキーワードが現実味を帯び始めた。


もちろん、「港区人気が終わった」という話ではない。


むしろ、高騰し続ける都心部に対し、「価格」「利便性」「将来性」のバランスを重視する人が増えた結果として、東京北側が新たな選択肢になっているのだ。


これは単なるブームではなく、東京という都市そのものが変化している証拠でもある。



「都心に近い」が、もう都心である必要はない


ここ数年、東京23区のマンション価格は過去に例を見ない水準まで上昇した。


新築マンションはもちろん、中古マンションも値上がりを続け、港区や渋谷区では億ションが当たり前という時代になっている。


その結果、「都心に住みたい」という願望は、「都心へアクセスしやすい場所に住みたい」という現実的な考えへと変わり始めた。


東京北側エリアの多くは、東京駅、新宿駅、大手町駅、池袋駅といった主要ターミナルへ20〜30分圏内。


通勤時間はほとんど変わらない一方で、住宅価格や家賃にはまだ差が残されている。

毎月数万円の住居費を抑えながら、通勤時間も犠牲にしない。

そんな合理的な住まい選びが、いま支持を集めている。


「暮らしやすさ」がランキングを動かす


住みたい街ランキングは、以前まで「憧れ」が大きな要素だった。


しかし現在は、「実際に住み続けられるか」が重視されている。


北側エリアには大型スーパー、昔ながらの商店街、医療機関、公園、教育施設が徒歩圏内にまとまっている街が多い。


特に子育て世帯や共働き世帯にとって、日々の買い物や送り迎え、通勤動線まで含めた生活のしやすさは大きな魅力だ。


駅前だけが発展している街ではなく、住宅地全体に生活機能が整っていることも、東京ノースが支持される理由となっている。


ブランドよりも暮らし。


この価値観の変化こそが、住宅市場を大きく動かしている。







再開発は「都心」だけのものではなくなった


かつて再開発と言えば、虎ノ門、麻布台、品川、高輪ゲートウェイといった都心部が中心だった。


しかし近年では、東京北側でも大型プロジェクトが相次いでいる。


駅前広場の整備、タワーマンション建設、公共施設の建て替え、商業施設の誘致など、街全体を更新する計画が各地で進行中だ。


重要なのは、単に新しいマンションが建つことではない。


街の景観が変わり、人の流れが変わり、新しい店舗や企業が入り、地域全体の価値が引き上げられることに意味がある。


再開発は資産価値だけでなく、「住み続けたい街」をつくるプロジェクトでもある。


それでも、東京ノースは万能ではない


一方で、東京ノースには課題も少なくない。


まず、ブランドイメージという壁がある。

港区や渋谷区のようなアドレスブランドを重視する人にとっては、北側エリアはまだ比較対象にならないケースもある。


企業経営者や富裕層の需要という意味では、依然として城南エリアの優位性は揺らいでいない。


また、街ごとの差も大きい。

再開発が進む駅前と、一歩離れた住宅街では雰囲気が大きく異なる地域も少なくない。

これから資産価値が伸びる街と、そうでない街が二極化する可能性も十分考えられる。


さらに見逃せないのが災害リスクだ。


北区や板橋区、荒川区、足立区などでは、荒川や隅田川、新河岸川沿いを中心に洪水や内水氾濫のリスクが指摘されるエリアも存在する。


もちろん、これは東京湾岸エリアの高潮リスクなどと同様、「住めない」という意味ではない。

しかし、ハザードマップや浸水想定区域を確認し、立地ごとの違いを理解したうえで物件を選ぶ姿勢は欠かせない。


そして最後に、「割安」という魅力は永遠ではない。


人気が高まれば価格も上がる。


すでに一部エリアでは新築・中古ともに価格上昇が進んでおり、「東京ノースだから安い」という時代は終わりを迎えつつある。


次に評価されるのは、「どの街」なのか

東京ノースという言葉は、一つの街を指すものではない。


北区、板橋区、豊島区、文京区、荒川区、さらには埼玉県との県境エリアまで含め、東京の北側全体が新たな居住エリアとして見直され始めている。


ただし、その中でも将来性には大きな差がある。


再開発の有無、鉄道路線、商業施設、行政サービス、災害リスク、人口動態。


これらの条件によって、資産価値の伸び方は街ごとに大きく変わってくる。


「東京ノースが人気」という大きな流れだけではなく、その中でどの街が次に伸びるのかを見極めることが、これからの住まい選びや不動産購入では重要になるだろう。



東京の住宅市場は、新しい時代へ


東京の人気エリアは、これからも港区や渋谷区が中心であり続けるだろう。


しかし、「住みたい街」の基準は確実に変わってきた。


ブランドより利便性。


憧れより暮らしやすさ。


そして価格だけではなく、将来性まで含めて街を選ぶ時代になっている。


東京ノースの台頭は、その価値観の変化を象徴する出来事と言える。


2026年の住宅市場は、単なる「北上」ではない。


東京という都市が、より現実的で、より合理的な選択を求める時代へ進み始めたことを示している。


そして数年後、「東京ノース」という言葉が一時的な流行ではなく、新たなスタンダードとして定着している可能性は十分にある。



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